2007年12月22日

記録と移動

身辺メモ: Googleのバックアップは誰が取るのだろう。

ここ最近の「記録」はほとんどデジタルデータだ。そして、そういう大事な記録群は、うっかり外部に置きわすれて雨にでも濡れたら一発で消えちゃうくらいの「もろい」装置に入っている。

確か数年前に、富士フィルムがそこを突いた広告を展開してましたね。写真に焼いておけば百年後でも見られる、という感じで。当時個人的には結構衝撃を受けて、それからずっと考え続けてます。
たしかにいきなり百年後にジャンプして振り返ると記録は途絶えますが、百年後は突然やってくるわけではなく毎年の積み重ねなので、淡々と記録と(記録したデータの)移動を繰り返せばいい。いきなり距離のある例えですけど、先頃見に行った宮崎の夜神楽ではそういう積み重ねを見せられて目からウロコが落ちまくりでした。あれは「無形」なので百年前のことなんてなんにせよわかんないんですよ。わかるのは去年のこと。それを繰り返していつしか百年が経つ。肝心なのは、今年がその百年の一部だと認識できるかどうか。

そして記録のコストが下がると同時に(正確には一周遅れかな?)データを移動するコストも下がっているので、そろそろ移動もそんなに大変じゃない時代に入りつつある。

オンラインのデータの問題で言うと、かつてNiftyServeの会議室「資産」が消え去ったのは、アーカイブの発想、文化の継承への意志がなかったからですね。(その結果融通の効かない規約に縛られた)
Flickrの膨大な写真資産は、もしFlickrが消えるときが来たら誰かが引き継ぐだろうと思ってます。おそらくそれが可能な規約になっていて、実際Yahooに買われた時にデータの移動があったはずです。

それでも消えるものは消えるでしょう。それは仕方がない。でも、やり方次第で紙の書物よりもはるかに多くの情報を残せる「可能性」がある。その可能性は消したくない。
そのためには結局のところ、みんなが「アーカイブ」の意識を持つようになればいいんだ、というのがいまのところの結論で、若者にもそれを刷り込みたいなあと思って先日の発言に至りました。

で、あとは、遡ってのアーカイブオンライン化ですよ。
Clark AFB/Japan 1953 - a photoset on Flickr
のように。

2007年12月19日

銀鏡神楽


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Originally uploaded by motonaga.jiro
先週の木曜から日曜まで、宮崎に行ってきました。目的は金〜土の夜を徹して行われる銀鏡神楽。いやすごかった。 とにかく、ああいう時間と空間が毎年あの場所には出現していると。 なんというか、まるごと全部。つまりコスモス。 ちょっと写真には写らないなー。あれはもう、体験するしかないですよ。

あのすごさの本質を書くことはとてもできないけど、とりあえず書けることを。
印象的だったのは、神楽そのものを地元の人がなによりもまず自分たちのためにやっていて、妙に観光化されていたりしないし、儀式のための儀式のような、行き過ぎた厳格化もないということ。ほどよく緊張し、ほどよくリラックスしている。その絶妙なユルさの中にこそ、継続する文化の強さが垣間見えた気がします。素人目にも、全体としては相当にレベルが高い踊りに見えますが、中にはちょっとだけずっこけるところがないわけではない。でもそれが本当の姿な訳ですよ。おそらく数百年のあいだ、ちょっとずっこけ続けている。その圧倒的な時間の存在感。

いまだ銀鏡の衝撃さめやらず、とりとめもありませんが、今後野外の夜神楽に行こうという人のために、以下メモ。
とにかく、寒いです。当たり前ですが、寒い。半端なく。身体を動かさずじっと見物しているのでなおさら。
雪山のトレッキング、スキースノボの服装に、さらに下半身はダウンの寝袋があるとちょうどいいくらいです。腰あたりに貼る大きめの使い捨てカイロも効果絶大。