2006年11月18日
Google Earthを勝手に超高解像度化(に失敗)
身辺メモ: デザインスタジオ・2、「都市の観察と記述(2回目)」
手軽で便利になった半面、GoogleEarthの「使いやすさ」はちょっと危ない、と思った。縮尺フリーなので、「その縮尺が表現できる要素」を見極めるというような、スケール感覚を失ってしまう (中略) GoogleEarthをして「GoogleEarthに描かれていないもの」をレクチャーするのは、ちょっと抽象度が上がってしまって骨が折れる(本当に、それなりにいろんなことがわかってしまうから)。
Google Earthで世界を捉えた気になってはいけない。Google Earthにはまだまだ写っていないものがある。なるほど確かに。じゃあ実際何が写ってないんだろう。自分に見えているものを撮ってみてGoogle Earthと比較してみよう。
Google Earthが表現している世界の「スケール」は実はある限られた範囲のものだけだ。「引き」は、まあいいけど(あとはMitakaもあるし)、「寄り」が足りない。我々の身体とはちょっと切り離されたスケール感。じゃあ身体のスケールと比較してみよう。
というわけでデジカメを持って外へ出て、地面を撮ってGoogle Earthに載せてみた。写っていないなら自分で写してしまえ。
道の端のゴミのような表示に近づいてみると、極狭範囲の高解像度上空1m写真。
以上、tsutsujigaoka-1.kmz(約3MB)
調子に乗って銀座の歩行者天国へ。
横断してみる。
ginza1.kmz(約3.6MB)
交差点を何往復も。
色調がバラバラ。絵柄もイマイチ。
というか完全に撮影対象の選択の誤り。大失敗。
ginza2.kmz(約7.1MB…)
地下道も撮ってみる。ちょっと進むだけで次々変わる「地表」の材質。
最後は車。
ginza3.kmz(約1.4MB)
人ごみの休日の町なか、カメラを持った手を前へならえのように伸ばして脇目もふらずやけに真っ直ぐ一歩一歩歩いては立ち止まって写真を撮っていると、やっぱり早く終わらせたい気持ちで一杯になってくる。
というわけでだんだん歩幅も大きくなり、写真の重なりもいいかげんになり…という具合で、最後の地下道はもうズレズレ。
そもそも、デジカメで撮っているものが「我々の見ているもの」そのものなわけでもない。
でも、Google Earthのスケールが必ずしも我々の身体のスケールと「かけ離れている」とまでは言えないということは良くわかった。やや大げさに言うと、GEの初期画面の丸い地球と、自分の足下の「これくらいの範囲」が接続され、連続したスケールとして身体に入った感じがしないでもない。
あとは、もっと肉体化するために、地面をフロッタージュしたものを貼りつけてみたい。きわめて個人的(当人以外実感不能)なものにはなるけど、これならかなり強力に「接続」できるんじゃないかな。でもフロッタージュをどうデジタル化するかという問題はあるな。スキャンしたものはフロッタージュなのか。
てなことをしましたよ、という話をさきほど中西さんにしたら、中西さんのところでもいま水平面をデジカメで撮りまくってつなげているらしく、こんな失敗作を後出しはできないので慌てて先にポストする次第であります。
Posted by jiro at 2006年11月18日 00:43 | トラックバック (1)