2003年12月28日

生命力

今年の9月初めに沖縄に行った際、島ラッキョウを買ってきた。漬けたものも公設市場などで売っているが割高だし、土つきで冷暗所に置いておき、食べる分だけその都度漬けた方が断然うまい。漬けると言っても軽い塩漬けで、簡単。

…と思って買ってきたは良いものの、普段使っていない食材保存用の冷蔵庫に入れておいたらすっかり忘れてしまった。沖縄でラッキョウの旬と言えば春と聞いていたが、那覇周辺では秋でもメニューに載っていたので、冷蔵庫で保管でもすれば長持ちするのだろうと気を抜いていたということも、忘却の原因。

これがさきほど発掘された。小さな袋に詰められ、冷蔵庫最下段の狭い引き出しに密閉され、酸素も少なく光と水に至っては全くなく、0度近い低温下での保存。もうダメだろう。

が、しかし!
驚くべき光景が目に飛び込んで来た。

小さなビニール袋の中を縦横に這い回り伸びまくる芽、芽、芽。スペースが狭いため、もうぐるんぐるんに絡み合い、もはや一つの森。生命体としての森。

なんと成長している。命は偉大である。ぬちどぅたから。


袋から出すと一抱えほどの大きさになってしまって、どうしてこれが小さな袋に収まっていたのか謎である。

生きているということは食えるであろう。まずはジャングルからラッキョウとして食う部分を取り出す。

おおよそ取り出し終わるとこんな感じ。

春の沖縄とは程遠い環境下で、よくもまぁこんなに。
光がないので緑がない。黄ニラのようになっている。

あまりのことに感動し、庭に少し植えてみた。
育つだろうか。冷蔵庫は南国の植物にとって厳しい環境かもしれないが、安定した環境であることも事実だ。突破口を何か一つだけでも見つければ、生き延びられるかもしれない。それにくらべると屋外の環境は変化が激しいので、一つの適応方法だけでは生き延びることはできないだろう。

ま、しかし、驚き。

ただいま薄皮を剥がしやすくするために塩水に漬けているところ。ほんとに食えるかな?。

追記:なんの問題もなく食えました。庭に植えたものも育ってしまいました。でも東京育ちのラッキョウは島育ちと味が違うような気がします。

Posted by jiro at 2003年12月28日 17:13 | トラックバック (0)
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